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2010/12/23

2010 12/23 林家染二2010ファイナル 林家未来巨匠烈伝 

大阪市西成区の塚西駅の前にある壽光寺さんの新会館「じゅげむ」にて開催されました。
この壽光寺浄土真宗本願寺派のお寺さんでした。
初めて訪れる会場なので早めに到着、地元の寄席でだいぶ開催されているとのこと。またこの会場の新会館「じゅげむ」は本年秋に落成されたとのこと。

本来、お寺さんは人寄り場所であるべきという開けたお寺さんを目指されているのかすごく開放的な雰囲気がして好感がもてました。
受付をすませ、プログラムを拝見。さすがマニアックでなかなか聞く事ができないネタがありその嬉しさを胸に最前列に座られていただけました。またお客様は75人程度で超満員のぎゅうぎゅうでしたが、会場の熱気も手伝って非常に盛り上がった会となりました。

林家染二 :色事根問

落語のネタには前座さんがされるネタや、前座でしか出来ない噺家さんが居られるとおもうのですがいきなりTOPは林家染二さん。そしてネタは色事根問。そんな違和感を感じながらのスタートですがそれでも師匠さんが話される色事根問はまったく違いました。話しの内容はおんなじなんですが笑うポイントが違っていて・・と書くよりも本来の面白い箇所できっちりと笑うことができました。そんな鉄板ネタのような色事根問でした。染二さん自ら、「20年前の色事根問の映像を見てきたが、酷いものだった」といわれていました。
20年前というと入門されて6~7年目。やはり修行したらそれだけ結果が付いてくるものと妙に納得しました。

林家染吉:黄金の大黒
染吉さんの高座はたしか3回目かな?初めて聞いたのも「黄金の大黒」。
前回同様に汗をいっぱいかかれての熱演で、しかもこなれてきた感じがあって楽しめました^^

林家染左:堀川
染左さんが演じる酔っ払い息子と、喧嘩っ早い息子、その母親がリアルでその世界を描くことが出来ました。とくに年老いた母親は秀逸!
肩を落として表情を作られたのはお見事です。

林家卯三郎:三十石
「まってました!」の声がかかるくらいの固定ファンが居られる様子。
先日まで体長が悪かったという情報があったので心配していました。
乗船名簿のシーンで大道九間町~の件が無かったけど、お手本のようなキッチリとポイントを抑えた三十石でした。

林家染二:土橋万歳
卯三郎の三十石で笑いのシーンの中で船宿の2階で乗船名簿を作成するために番頭が聞いてまわるシーンがありますが、この中で弘法大師と円光大師は出てきてお経を唱えるシーンがあります。この箇所を「この真宗のお寺でよう言ったなぁ!」と会場は大爆笑!

また、三十石、堀川は林家のお家芸とのこと。
堀川は「猿回し」とも言われ二代目林家菊丸さんの作。また三十石は、「浮かれの舟歌」「夢の通い路」ともいわれ初代桂文枝さんが明治3年頃に「京名所」の後編として創作されたのがきっかけとのこと。それでも元のオチで聞くことはもう皆無。いずれも名作だとおもう。
※参考文献:上方落語の歴史(前田勇著)

さて、この土橋万歳は、米朝さんの古い音源があるだけでナマでは初めてでした。
メインの若旦那と番頭の会話でクライマックスに進み、最高潮でホロリとさせるとても良いお話です。
元のお話が古いのか、大和万歳でピンとこないとスッと落ちないのでしょう。もちろんわたしも実物の万歳は見たことがありませんが、同席の母は子供の頃に実際に見られたそうです。

次回、またタイミングがあえばぜひ寄せていただきたいそんな落語会でした。
本当にありがとうございました。