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2011/10/09

2011 10/2  四天王寺秋季大学 2日目


定刻より講義開始。
秋の涼しさがかんじられる亀の池です.








10月2日 第一講目 13:00~14:20青蓮院 門跡 御門主
東伏見 慈晃(ひがしふしみ じこう)猊下 青不動のこころ

仏教のあり方、天台宗、青蓮院についてのお話。
H5(50才)で得度され、元々は銀行マン。遅い出家
H16 門跡を務める。父の高齢化、門後寺院の継承。家は宮家・・。

法華経、伝教太子最澄⇒天台宗
四天王寺は戦前は天台宗であり、青蓮院は四天王寺の別当で権威があった。
また最澄が比叡山開山の際の房の役割をした。

天台宗~四種相承
法華円教~縁、空
真言密教~空海、印を結ぶ
達磨禅法~座禅、只管
大乗菩薩戒~戒、してはいけないこと

現代は何をしても自由な世の中。いまこそ戒が必要。

天台密教と青不動明王~絹に書かれており国宝指定。美術価値が高い信仰の対象。

密教~心に不動明王、大日如来を抱き、煩悩を沈め、また焼き尽くす、剣で断ち切ってしまう。
煩悩~貪(むさぼり)・瞋(いかり)・癡(おろか)

貪~すこしでも楽をしたい~原発事故、リーマンショック
癡~夫婦、子供の事をわかっていない、身近にいても知らない、
思い通りにならないことに対する苦しみ
情報化社会~疎外感、孤独を感じる苦しみ
農村、漁村~若者が居ない地域
自然災害~思い通りにならない・・・・・・・絶望感
繰り返し願うことで成就する~密教
東日本大震災では皆様の立場に立って仏教を話すこと。
心の内では家や家族、会社などを失った状況で、神も仏も信じられない気持ち。
仏教では、そんな絶望感や不運と戦わず、現実を受け止め、こだわらないこと。
被災していない人は慈悲の心をもち、相手のために尽くすこと。
政教一致~政治に道徳の考えを加えなければならない。
トレンミラーズ(書籍)アメリカの鏡 日本 (カドカワ)
東洋史の研究、マッカーサーのスタッフで、日本の労基法の基礎を策定した人。
なぜ、日本は戦争に負けたのか?⇒ペリーの黒船による不平等条約が原因であり、生麦事件や長州事件がすべての始まりであるという説。


10月2日 第ニ講目
14:40~16:00龍谷大学文学部教授・龍谷ミュージアム館長
宮治 昭(みやじ あきら)先生
シルクロードの仏教美術 失われたバーミヤーンの大仏と壁画

アフガニスタンにあるバーミヤンの遺跡について
1969年に始めて訪問。そのスケールの大きさに驚愕。
74年3回にわけて調査
79年5回にわけて調査
この地は古代遺跡の宝庫で文明の十字路と呼ばれている。
(他民族、多言語、多宗教・・)
ギリシャ文化(バクトリア文化)
1920~フランス考古学派遣団の参入、以降各国が調査する。
アイ・ハムヌ(ギリシア・バクトリア王国遺跡)
ティリヤ・テペ、スルフ・コタル、ベグラーム、カーピシー仏教遺跡、バーミヤン仏教遺跡等
●バーミヤン仏教遺跡
標高2500m の地帯に二大仏(38m・55m)があると同時に周辺には700」以上の石窟が存在。
1979年 ソ連の侵攻
米ソ対立の中で中立を保っていたが代理戦争に巻き込まれてしまう。
2001年3月 タリ版によるバーミヤン大佛の破壊活動
2002年 ユネスコによる復興計画(日本、イタリア、ドイツなど)
大仏、石窟制作の記録は無い。
AD629 玄奘三蔵が訪問し、大仏の事が書かれている。
AD727 寺・僧が多く存在した。
年代論~壁画の漆喰の中のスサの炭素調査により6~8世紀と判明。
この後、貴重なスライドを拝見させていただきました。
切り取られた2対の大仏様の痛々しい顔と、その仏様が瓦礫と化し崩れ落ちている写真。
頭上に書かれている壁画とその元の図案や意味など。

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二日間の四天王寺秋季大学は閉幕となりました。
なんとも重厚な五智光院に入る事ができ、その空間でのお勉強はとても貴重な体験です。
また来年もぜひ参加させていただければと、会場を後にしました。