今回で第10回を迎える「三国・アシスト亭」。
この会は、長い間演じておられないネタや初めて披露される、いわばネタおろしの会という主旨で
実施されてきています。
いわゆる噺家さん、講談師さんはご自身を律し続けなければならない大変なご職業だと思っています。
新しいネタにチャレンジされたり、演じ方に工夫を重ねられたり、オンリーワンの芸術性を高めたり・・。
そんな大層な・・・とおもわれるかもしれませんがそこに会社員ではない大変さがあるのでしょう。
50回、100回と会を重ね、上方落語、上方講談がますます繁栄しますように。
すっかりマスターさんも芸人の域♪とっても楽しい方です^^
旭堂南斗 有馬御難
あと数ヶ月で正式な前座となる旭堂南斗さん。
なんどかお聞きしたことのあるネタ。すっかり安定しその視線には余裕さえ見えました^^
秀吉の死後、ますます力をつけてきた家康。その様子をうっとうしく感じている石田光成は腹心の部下である有馬則頼(?字が違うかも・・)に極秘に征伐を依頼。その息子の有馬玄蕃頭豊氏(げんばのかみとようじ)に能、狂言の会に毒を盛るように指示する・・・。その行方は。。
笑福亭松五 鰻屋
松五さんは今回で2回目。前回は2009/8月に田辺寄席で「寿限無」を聞かせていただいています。
あれから2年。
しっかりとした口調で仕草でイキの良い鰻を表現。
元ネタとおりキッチリ仕上げた感のある「鰻屋」でした。
桂枝女太 もう半分
ずっと前にNHKの日本の和芸で聞いたような記憶がありました。
元々は江戸前のようで上方版では、舞台が四ツ橋の袂の煮売屋です。
善太(字が違うかも・・)・・・怖いですねーww
現在の四ツ橋の交差点にはその昔、堀が十字に交差する写真やその様子がしのばれるモニュメントが
設置されています。それぞれ上繋橋(北川)・下繋橋(南側)・炭屋橋(東側)・吉野屋橋(西側)があり、その下には、東西には長堀川、南北には西横堀川が流れていました。
元々防衛目的でしたが、江戸時代には物流で使用されていた堀ですからそこそこ流れが早く、4つ架かる橋のいずれからでも複雑な流れでうかびあがる事は無かったのでしょうね。
旭堂南左衛門 王将 坂田三吉
先般の東京での撮影でのお話をされました。
市川染五郎丈との歌舞伎「細川の血達磨」にご出演。歌舞伎と講談のコラボ「細川の血達磨」の放送は、9月30日午後10時15分NHK総合にて。ぜったいにお忘れ無く!
さて、この演目は今回で3回目になります。
本当のネタおろしは作者の先生が同席された数ヶ月前の講談会です。それから数ヶ月、たしかに
磨かれた感があり定着したような印象でした。坂田三吉氏の生涯を年表で追うことで、その生き方や家族、夫婦愛を知らしめる狙いがあろうかとおもいます。こゆうの言葉がジーンと胸に染み入ります。
この数年は坂田三吉氏の記をはじめ通天閣やチンチン電車等の記念イヤーでもあり色々と露出する機会が増えることを願っています。
笑福亭 仁嬌 へっつい幽霊
たしかに、現代にはもう聞く事がない言葉がたくさんあります。笊(いかき)、切り藁(たわし)をはじめこの「へっつい」もそうでしょう。現に私の祖父方の田舎には「へっついさん」がありました。たぶん私の世代以降は知らないのかもしれません。
前半で登場したこの「へっつい」の販売価格は30円50銭、そして後半で脳天の熊五郎との賭け事の単位は300両。たしかに、全ての演目が終わったあとのお茶会の際に、枝女太さんが言われたように貨幣単位が混在していた時代だったのでしょうか。
福島羅漢前左官屋八兵衛が気になり福島羅漢前を調べてみましたところ、福島公園はその昔、斎場でありその近くに黄檗宗妙徳寺があったそう。
現在は公園になっています。
←幕末頃の地図
また、江戸の貨幣は4進法で1両=4分=16朱・1朱=250文となります。先日のあみだ池寄席の感想でも記載しましたが江戸の落首「どうして九両三分二朱」。あと2朱で罪人は打ち首なのだが・・と苦悩する取調べ官の苦悩がしのばれます。
次回の三国・アシスト亭はできれば10月ではなく11月・・それも昨年と同じく3日が希望なんですけど。。。どでしょ?