営業を主軸とした会社での朝の風景はきっと体育会系なノリで始まるのでしょう。
私のイメージではきっと、上司が朝礼をし、その前にずらっと部下が勢ぞろい。
「おはようございます!」や「社訓」なんかを唱和したりして。
で・・元気がない=声が小さい・・とか笑顔の練習なんかをしたりしてるみたい。
おそらく、正解ではないかもしれませんが、そうハズレでもないと思います。
さて普段は歴史や落語のことばかりをかいている私が何故こんなことを書いたのか・・ それは、先日すごい違和感を感じたからなのです。
毎週火曜日はDVDレンタルが100円引きというお店があることを聞きつけたのでさっそくいってみました。店内はお客さまが沢山おられる混雑状態で、店内のBGMや接客の声、お客さま同士のたのしそうな会話となかなか活気のあるお店です。
このレンタルDVDショップは、店頭にならんであるレンタル用のDVDを自由にチョイスして受付カウンターで清算するシステムなので、店舗の主要な業務は
カウンターでの接客以外に、返却されたDCDをいちはやく店頭に戻す作業が大変重要となります。
広い店内を忙しそうに返却されたDVDを抱えてもとの位置に戻す従業員。
離れたカウンターではレンタル手続きが終わりお店を後にするお客さま。
「ありがとうございました」「ありがとーございました・・」店内にこだまする従業員の一斉の掛け声。
もちろん入店した際の「いらっしゃいませー!」「いらっしゃいませー・・」の声も同様に一人が発生したら次々と声を出さなければならないルールなんでしょう。
日は変わり昼食のために入ったお店でも同じような出来事がありました。
お客様が入店するたびに、フロア担当が発声する「いらっしゃいませー」、そのたびに厨房やフロア担当がおなじように発声するお店。
機用に調理をしながらでも発生する調理担当さんやレジの手を止めてでも「いらっしゃいませ」という従業員。
某百貨店では毎朝6大用語を唱和しているそう。
「いらっしゃいませ」「かしこまりました」「恐れ入りますが」「少々お待ちくださいませ」「お待たせいたしました」「ありがとうございました、またどうぞお越しくださいませ」。
これらの言葉は1対1の接客をベースとしている前提の言葉であり、それぞれの言葉にはお客様への感謝の気持ちが込められています。
従ってこれらの言葉を発する時は目の前にお客様がいることを前提としているはず。
言い換えれば、目の前にいない場合、発声することは口先だけの言葉であり、そこに感謝の気持ちは存在しないのではないでしょうか?
沢山のDVDを抱えていたり、忙しくて手がいっぱいだったり・・またお客さまが見えない位置であっても言葉を発することは可能だけれど気持ちの無い言葉ほど邪魔なものはない。
お客様に感謝の言葉を伝えるはずの「ありがとうございました」が、言葉だけの社内ルールと化してしまうと、もうその店は最悪で煩いだけの店になってしまいます。
※写真~大阪太融寺にひっそりと笑顔で微笑む「田の神様」(たのかんさぁ)。淀君のお墓のすぐ横におられます^^