第6回アシスト寄席が開催されました。正式には三国アシスト亭 ~無茶修行の会~というそうで、この会は、長い間演じられなかったネタや初めて高座にかけるそんなネタの予行練習的な意味を持っているとのこと。
だいたい私の落語情報はネットに頼るところが大部分でとくに【ねたのたね】は頻繁にチェックしています、しかし、このアシスト亭~無茶修行の会~は掲載されていないことから見逃してしまったり、また有名な地域寄席の田辺寄席と日程がかぶる事があったのでなかなか参加させていただ事ができませんでした。
今回はとてもラッキーなことに第1回にご縁があり参加させていただき1年3ヶ月ぶり。お葉書を頂戴した時点からとても楽しみにしていました。
会場は定員30名の喫茶アシスト。手作り感いっぱいの会場ですがそれでも第1回目のときよりも会を重ねるごとにスムーズな運営で今後が楽しみです。
旭堂南斗 : 角屋舟の由来
旭堂南斗さんとお会いするのは初めてです。(開場には南舟さんもお見えになられていました。)
妙国寺で和尚とお茶を楽しんでいた時に本能寺の変がおこったことを知った家康。
どうやって畿内を脱出し三河に帰ったか。。。海路をふさぐ3箇所の関所をスリリングに突破したお話で心地よい緊張感が感じられる話し口調からすると初高座だったのかもしれませんね。
桂福丸 : 米揚げ笊
笑うところと違うところで笑ってしまって突っ込まれてしまいました(;・∀・)
笊=ザルであることが希薄になっていますが、今日の年齢層であればみなさんご存知でしょうね^^笑いどころだけどだれてしまう笊屋十兵衛さんの家を訪ね歩くシーンはスパッと削除し、ラストの上げ上げの会話は音楽で言うaccelerando!
次々とたたみかける会話がすべて笑いを誘いました。
「わからんことをわかると言うのがわからん わからんことをわからんと言うことがわかる」なるほど。。。そのとおり。。
旭堂南左衛門 :大久保彦左衛門・目擦りなます
「落雀の暑さ」(らくじゃくのあつさ)という言葉があるそうで、暑さでポトっと落ちた雀を猫が咥えたら火傷をしたらしい^^ 師匠の3代目旭堂南陵さんが戦争で中国へ赴任された際に様々なシーンで部隊長より講談をさせられたそう。WIKIで見ると1940年に真打に昇進されているので相当著名であったのでしょう。
大久保彦左衛門がしかけた賭け碁、景品は虎の皮100枚VS豹の皮100枚。とんでもない豹の皮のために珍しい目擦りなますを食べることに。。。見事にその光景が脳裏に再現されました。
笑福亭仁嬌:遊山船
仁嬌さんの話しは過去に何度かあり、印象深かったのは2010/2/21の田辺寄席の元犬と万国島巡り。いずれも楽しませていただき好印象。また会が終わったあとに話されていましたが、このネタは今日は初めてであったとのこと。まったくそんなことを感じさせることもなく笑いのツボをきっちりと押さえられていました。
さて、喜六清八それぞれの口調と上下できっちりと演じられていたのと、常に覗き込むようなその視線の先には本当に、げい衆、まぁ衆、なぁ衆、たぁ衆等が居るような。
浪速橋の上から喜六の家に帰ったシーンで戸惑いましたがそれでもちゃんと天窓やたらいに入る嫁の姿が浮かび上がりました。
桂枝女太:質屋蔵
この会とのご縁を作っていただいたのが桂枝女太さん。ネタは久しぶりに聞く質屋蔵 。
このお話も3年ほど前に1回やられただけとのこと。元々40分以上ある長いお話なので中々演じる機会が無かったとのこと。
私的にはいつも落語家さんには感心する内容に、それぞれのもち時間にあわせてお話をうまく編集するというところがあります。編集すると美味しい笑いどころがすっ飛んでいったり話の流れがいびつになったりするものですがこの質屋蔵はなかなか切り取る箇所が無いお話なのでしょうね。
マクラでちゃんと菅原道真公の話しをしておいて本題なのでなおさら長くなる傾向のあるお話なようです。
さて枝女太さん風の手伝いの熊五郎さんの描き方が面白しろく、昇り竜+下り龍のガマンを入れたいかにも腕っ節の強そうな男が呼びに着た定吉にまんまとしてやられたお茶目な面や、旦那に白状してしまう晩酌のお酒や漬物、味噌の一件、また夜更けに番頭さんと二人になったときに見せる怖がりで小心者な面がイキイキと感じる事ができました。
近年は落語ブームで、毎日たくさんの場所で落語会が開催されています、大ファンの私にとっては嬉しい限りです。そんな中で、落語を話す方からするときっと100人位入っていないと気が入らないのかもしれませんが、聞くほうからすると今日のような開場が良いのかもしれません。雰囲気が近いのが「町屋寄席」や「生野弁天寄席」かな?福丸さんってこんなに声量があったんだってビックリしたり、こまかい所作や視線を感じる事ができるのはやっぱり喫茶アシストさんくらいの広さなのでしょう。ぜひ次回11月のも楽しみにしています。
上方落語家名鑑ぷらす上方噺