「武士の家計簿」を鑑賞してまいりました。
加賀100万石を支える役職の中に知られることのない「算用者」が150名ほどいたそう。いわゆる企業に置き換えるとさしずめ、経理部かな?
始業時間を知らせる太鼓が鳴ると一斉に帳面を睨みひたすらそろばんをはじく。
代々家督を継ぐことが善しとされてきた時代では算用者の家系に生まれると幼いときからそろばんを仕込まれて育つという。そんな家系に生まれた「猪山成之」は幕末の動乱時代に大村益次郎と知り合い明治の発展に寄与する。 親子3代にわたる笑いあり涙ありのエピソードが綴られていました。
堺正人さんの演技が冴えわたり、見事に主人公の猪山直行を演じています。
またその父は信之(中村雅俊さん)、直行の息子は成之(伊藤祐輝さん/大八木凱斗さん(子ども時代))。
江戸時代の泰平が続くと武士は困窮し両替商から借金を重ね無ければならないくらいに大変な生活を強いられていたのでしょう。もちろん陪臣(殿に仕えている役人の家来)ではなく、直参ともなると体面を保つのは大変。優れた経済感覚を持つ「直行」がいたからこそ、猪山家は持ち直し、また「成之」は明治政府に寄与することができたのでしょう。
映画としては長めの2時間オーバー、何度も「クスッ!」とする箇所や「ホロリ」とするシーンが盛りだくさんで 一息に鑑賞できました。
しかし、堺正人が演じる猪山直行の青年~壮年~そして老人へと変わってゆく役柄にしたがって見せ方が替わるその演技の幅には驚かされました。お見事です^^
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