2016年公開の「日本で一番悪い奴ら」を鑑賞。
このストーリーがほぼ実話であることに大変驚きました
綾野剛さんが演じる主人公の諸星要一。
学生時代の柔道の腕を買われて北海道警察へ入署。悪人を撲滅し、市民の安全を守るという理想に燃えていた日々が脆くも崩れてゆく。
実際に警察で出世をする為にはすべてが点数制度で縛られていることから、調書をひたすら書き写すというつまらない仕事に。そんな時に上司に「Sを作れ」というアドヴァイスをもらう事になる。
このSとはスパイの略であり、たとえばヤクザ組織に近しいところに居るものや犯罪スレズレの家業を営むのも等から名指しで連絡が入るようにするのが理想であるとの事から、自分の名刺やステッカーを繁華街に配布し、また積極的に危険な人物らと接触することでどんどんと名をあげ、出世街道へと進んで行く諸星要一。
拳銃撲滅キャンペーンでは、上司から「おい、今月は〇〇丁くらい手に入らないか?」や、1丁あたり〇〇円の裏金が警察幹部から渡されたり。また領収書偽造で裏金作りに加担させられたりと、自分の理想と現実のギャップに苦しみながらも周りがみえなくなりついには税関と組んで大規模な拳銃密輸を実行させるために麻薬の密輸を見逃すという事も。
当然危険な組織からは目を付けられるストレスや、Sを養うための資金調達から自らがクスリに手を染めて破滅への道へと進んで行く。
綾野剛さんの演技が素晴らしく、理想に燃えた警察官や、イケイケ風の演技、そしてシャブ中の演技等いろんな使い分けを見ることができました。
また中村獅童さんは見事にはまり役だし、デニスの上野行雄さんももうぴったり!
このできごとは「稲葉事件」で沢山情報がでてきます。
なかでも稲葉圭昭氏ご本人のインタビュー記事を鑑賞後にじっくりと読ませていただき、日本警察組織への不信感がつのりました。
素晴らしい方々も沢山おられて映画の中のように悪い方ばかりではないことは十分理解できていますが疑問が出てきます。
ましてや警察官の不祥事が新聞紙面を賑わす昨今、今一度体制を見直してもらいたいものです。