猪名川町靜思館寄席
今回で第五回となるこの寄席はすべて米朝一門が出演されているらしく、今回初めて笑福亭より生寿さんが参加されたそう。
さて、この猪名川町は大阪北摂地域にある大型ベッドタウンに挟まれた自然豊かな地域。ちょうどこの時期は私の大好きな新蕎麦の時期。事前下調べでは新蕎麦祭りがあるとの事で、10時すぎにはこの開場から少し離れた道の駅「いながわ」で雑穀粥の試食や十割新そばに舌鼓を打っていました。
毎月定期的にいただいている手打ち蕎麦のお店でいただくお蕎麦とはまた違った風味と舌触り。色も香りもまったく違ったのでびっくりです。今回のお蕎麦は、やや茶色目の殻付き。そして無骨な感じこそあれど、しっかりしたコシとモソモソっとした十割の歯ごたえが楽しめました。
2時間前には開場へ到着。会場は昭和7年に建造された茅葺総檜造の靜思館。
それは見事な古民家に加えご担当者の皆さんのアットホームな手造り感漂うあたたかいご接待やお心遣いが嬉しい落語会となりました。
笑福亭生寿 犬の目
前回にまして心地好い滑舌。まだ3年目と思えないくらいの器用さがある生寿さん。
総じて、若い演者さんの場合、自分の年齢以上の登場人物の描きかたが不自然になるのはしょうがないが充分なデキだとおもう。
前座っていうのはたしかに難しい。会場の雰囲気をグッと和らげ、雰囲気を作るのが大事な役割とはいえ、なかなか大勢の強張った気持ちをほぐすのは大変な役割で、とくに落語に滅多に触れない方にとっては未知の芸なんだからよけい難しいでしょう。
桂八天 まんじゅう怖い
この話はポピュラーな話だけに、おもうに「寿限無」くらいむつかしいネタなのでしょう。
本町の曲がり云々の怪談部分はあっさりと割愛し、与太話に置き換えたのは大正解。
(個人的には楽しみにしていたのですが)
地元の猪名川町の甘味銘柄があったらさらに爆笑かも。
桂米平 こほめ
米平さんの講座は今回で2回目です。前回はお手本通りにさらわれた感じのある「壷算」。今回は「こほめ」。
いずれも、年間で何度もきく機会のあるお話なだけにあらためて、「あぁ・・とってもきっちりされているなー」って感じる丁寧な落語でした。
伊勢屋の番頭さんのくだりまでは客席が中々渋かったようですが、赤ちゃんの家にいったあたりからやっとほぐれてきた感じ。
落語自体が初めての客層が多いのを見越してか、簡易な落語教室風のやり取りがあったのはおそらく客席のムードを感じ取られたからなのでしょうか?いずれも今日の三席は、いわば軽めの話。意外にお客様の方がもそっと重いのを期待していた感じがあったが、この価格は明らかに安すぎ。倍でもきっと大丈夫だとおもいました。